地方都市のギラギラ企業誘致合戦
先日、宜興にお呼ばれしたので行ってきた。
上海からバスに乗って西へ2時間半くらいのところにある
江蘇省の宜興(ぎこう、中国語:yixing)。
陶器の都として有名な場所。らしい。
恥ずかしながら今回初めて名前を知った。中国は広い。
今回の訪問は宜興市が主催する企業誘致&投資促進イベントへの
出席依頼ということで、駅からの出迎えやホテル、食事なんかも
すべて手配してもらった。ゆえにほぼ手ぶら。
なかなかのVIP待遇である。
今回訪れた江蘇宜興経済開発区というところは
江蘇省人民政府より許可された「省級開発区」らしく、
特に製造業、光電子産業、新エネルギー産業の企業誘致に注力している。
中国では各地方都市の開発区による企業誘致合戦が加熱化しており、
市政府からのインフラ提供、人材の供給、労務面での援助、
その他もろもろの優遇策をアメに、おらが村への誘致に心血を注いでいる。
もちろん企業から見ても、お上のバックアップは頼もしいことこの上ない。
宜興は上海や杭州なんかに囲まれ地理的に恵まれていることもあり、
日本の大手企業も近年こぞって進出している有望地域の一つと言えそうだ。
そんな宜興で各種イベントに参加。
あわただしいスケジュールのため市内観光などまったくできなかったけど、
誘致合戦にかける主催者側の力の入れようはすごく伝わってきた。
日本の自治体ももっと競争意識もたないとな、って思ったくらい。
特にこういう派手なイベントはその成否が主催者のメンツ問題に
大きく関わってくるわけで、彼らもさぞ必死だったことだろう。
僕らみたいな日本人をわざわざ呼び寄せたのも、
国際色を強くしてハクをつけたかったからかな、なんて思ってみたり。
会食の際、主催者の一人が中国語もろくに喋れない自分をつれまわして
各テーブルにあいさつ回りしたがったりするわけだ。
まぁそこらへんは至極中国的な慣習を感じた次第。
成長意欲にギラギラした地方都市の勢いを感じた今回の出張だった。
バスの移動中、窓からのぞいたのどかな風景も
数年後には工場が立ち並ぶ一大産業地帯に変わってしまうのかな、などと思い
猛然と成長を目指す宜興の"在りし日"を目に焼き付けておいたのです。