ノーベル賞に怒る中国、ドライな80後

尖閣問題がようやく落ち着いたと思ったら
また中国関連のホットなニュースが飛び込んできとーよ。


ノーベル平和賞、中国人人権活動家の劉暁波氏】
http://www.asahi.com/international/update/1008/TKY201010080362.html

劉暁波氏(右)と妻の劉霞さん。奥さんもただいま軟禁中。


ここ数年はノーベル賞候補として名前が出ていた劉氏だったけども、
特に今年は「もしや・・」感があったようなので、中国も事前に脅しをかけていた。
が、それでもノルウェーは屈せず晴れて受賞 in 獄中。
中国のメンツは直球ど真ん中で粉々に砕かれたわけです。
メンツを潰された中国人のその後の対応はもうホント目も当てられないわけで、
他人事ながら中国が今後どんなヒステリックな対応にでるかとドキドキしている。
中国に籍を置くノルウェーの会社はビクビクしながら夜を過ごしていることだろう。
北欧の連帯責任とかいってNokiaまでいじめられたりすんじゃねーかとか。


で、会社の女の子に今回のノーベル賞について意見を聞いてみると、
案の定、劉暁波の名前は知らなかったし08憲章のことも知らなかった。
「今日皆に聞くまで知らなかった。この会社にいなかったら多分知らないままだった」
有名大学を出て日本語も流暢で仕事もできるタオバオ好きな普通の女の子だが、
これが平均的な認知度なのかもしれない。
とはいえ彼女は至って冷静で、一連の報道との距離感を適度に保っている。
都合の悪いこと報道しない、国家に歯向かうヤツ逮捕、これすべて社会主義の国。
昨日今日はじまったことじゃないのでいちいち過剰に反応しない。
そんな彼女の態度は“80後”の現代的な中国処世術なのかなとも感じた。


仕事でいえば、国慶節があけて日中貿易は徐々に落ち着きを取り戻している。
ハンドキャリー組みが続々ご開陳&没収されている程度の厳しさはあるけども
中国側の輸入通関は通常に近い状況になってきたようだ。
皮肉にもノーベル賞の件で日中関係は逆に改善するんじゃないかって見方もある。
まぁ当社事業においては嬉しい情勢だったりはする。はい。


この数週間で中国ビジネスのリスクやら難しさをずいぶん味わった。
現場レベルで動いてみて、中国人の実利をとるための狡猾さみたいなものは
やっぱり日本のそれとはレベルが違うな、と個人的には感じる。
自分に利があればニュースだって情勢だって利用するし、そうでなければ
あえて触れない。そんなバランス感覚が庶民レベルでも長けているような。
中国人の大半にみられるこうした素養ってのは、
たぶん中国っていう根本的な矛盾を抱えた国に生きることで、
自然と善悪2元でない複眼的なモノの見方が身についたのかなとも思うんだな。


複雑な国であるからこそ、やっぱり中に入ってみないとわからない。
とりあえず突然捕まらないように気をつけましょう