ブログ引越し

これまで自由気ままにあれこれ書いてきた本ブログだが、
今後は下記にお引越しします。


じぇーしん日誌
http://jiexinsh.hatenablog.com/


テストエントリーをすでに2個ほど書いてるが、
ご覧のとおり、会社ブログという重荷を背負ってしまったのだ。
幾分襟元を正さなくてはいけなくなったわけで、
今後はビジネスの話をベースに書いてかにゃならんのだろうと思う。
たまには寄り道・脱線・悪ノリもOKと自分の中では許してはいるが。


個人かつほぼ匿名のブログは責任もなく悪態をつけて楽チンだったが、
2つのブログを書き分けるほどのパワーもないので、こちらは一旦終了とする。
だもんで、はてなさんには、Hatena Blogの機能向上を引き続き期待している。


ご縁があればまた今後とも

権力は、嫌って避けるかとことん使うか


3ヶ月くらい空けている間も
中国は相変わらず元気にトラブっているようです。


最近の中国の話題としては、薄熙来氏の失脚騒動がなんともアツイ。
重慶の市長でありながら、妻の英国人殺害疑惑で失脚した大物政治家ですね。
次々と新しい政策を打ち出す手腕と話術、見た目の良さも手伝って
非常に高い支持を得ている次世代のトップ候補と目されていた。
自称中国通の日本人有識者みたいな人たちも心酔していたようで
やたら彼を持ち上げるネット記事もたくさんみかけたように思う。
彼らは今の状況をどう説明するんだろうか。


薄氏は90年代に大連市の市長を務め、外資誘致を強力に推し進めた人でもある。
利害一致で大きな恩恵に預かった日本企業の幹部にとっては
「将来に続く貴重な極太パイプ」がなくなったことになるわけで。
日本側は今頃さぞ慌ただしくしているだろうなと想像している。
権力闘争に負けた末の失脚、との声がもっぱらだが、
それにしても人生一寸先を見せつけられて、なんとも教訓が多い事件である。



しかしまぁ権力って怖い。
でも中国人にとっては特別な意味をもつのもまた事実だ。


大阪商業大学JGSS研究センターが東アジア4カ国(日韓中台)を対象に
「友人の特長として大切と思う点」についてアンケートを取ったそうな。
4カ国を比較したところ、中国で際立って高かったのが
「権力がある」と「裕福さ」の2項目だった。
中国人は友人関係に権力を求める。確かにそういう一面はある。
ドライな関係に聞こえがちだけど、国や政治に期待できない生活環境の中、
自分たちのネットワークにのみ頼って生きていかなきゃいけないのが中国だ。
ギブアンドテイクを身上とする中国人なりの処世術とも言える。



参照:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8060.html


また、中国にいると、「権力」というワードが
今ひとつチープな意味合いを帯びてしまう面もある。
つまり、いち担当者が「職権」でもって権力者を演じてしまうのだ。
医者、学校の先生、タクシー運転手、警備員、誰でもそう。
一時的に優位な地位に(図らずも)なることは誰にでもあることだが、
よく言えばそれを「最大限活用する」のが中国流とさえ言える。
中国青年社会調査センターが行った「権力の乱用」に関するアンケート調査でも
94.8%が「普通の人が権力を乱用する現象が広くみられる」という回答をした。
皆がそうであれば、ある意味バランスは保たれていると言えるのか・・


一方、日本はというと、前述の4カ国アンケートの中で
「権力」や「裕福さ」に対して最も関心が低いことがわかった。
まぁ、生活レベルも他国と比べれば安定しているわけで
別にどうってことないと思っていたら、さらに
「日本人は権力に対する嫌悪感がダントツに強い」というデータまであるらしい。
橘玲氏のブログによると、2005年の世界価値観調査(World Values Survey)で
「権威や権力を尊重するのは悪いこと」と回答した日本人は
8割以上にも上ったらしい(良いことと回答したのはわずかに3.2%)。
他国と比べても圧倒的に「権力を嫌う」のが日本、ということだ。
(参照:http://www.tachibana-akira.com/2012/01/3705


権威や権力を嫌う日本人。権力をとことん活用する中国人。


昨今の大阪府知事の獅子奮迅の活躍ぶりなんかを見ていると、
歯切れのいい文言は胸のすくような気持ちになり応援もするんだけど、
一方でいつ足元をすくわれるのかと心配する思いのほうが強かったりする。
一生繁栄を続ける政治家なんていないんだから。



今の上海でもまだまだこういう状況


ちなみに、中国では富と権力の象徴として
「愛人をもつこと」がかなり上位に挙がるらしい。
まぁ・・・確かにね。四方を見渡せば好例がたくさん見える気がします。
愛人を持てば富と権力を得られるという話ではないですよね

日本人女性と中国


単身で中国に渡る日本人女性が増えてきている、という記事を見た。


【日本企業の男尊女卑に嫌気を差し、中国へ渡る日本女性が続出】
http://j.people.com.cn/94476/7705597.html
〜自分の能力を証明するために日本から渡ってきた女性たちが、
リスクや失敗を笑い飛ばし、日本で培った温和な物腰と細やかな気配り、
そして異国で鍛えたコミュニケーション力を武器に輝いている。〜


上海などは特に経済も豊かで治安も良く、日本人も多いし
日本の店もたくさんあるので女性単身でも特段不安は少ないだろう。
身近にも日本で社会経験を積んでから中国で職に就く日本人女性は多い。
彼女らの印象は地に足つけた生活をベースにしながらも
チャレンジ精神が旺盛で、そういう点では男性よりも
バランス感覚があるなぁと感じることもしばしばだったりする。


んで、そんな日本人女性は中国人男性達からみればまだまだ
いろんな意味でブランド価値があるんじゃないの、というのが次の記事。


【中国人の日本人女性幻想 ブランド力があるうちがチャンス?】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120110/225946/?P=1
〜可憐さと困難に立ち向かう強さを併せ持つのが日本人女性・・
先進国女性として、お金持ち、教育レベルが高い・・
男性を立てて、家事がうまくて床上手、でも恥らいがある・・〜


記事中にもあるが、中国の人気婚活番組「非誠勿擾」にでてくる
日本人女性の佐藤さんは結構な人気者。
番組内での中国語も会話の受け答えも巧みで
男性心をうまく引き込んでいるように見える。
苦労を背負った境遇、というのがまた良いというのも男としてはまぁわかる。


また、昨今中国人男性から絶大な支持を得ているAV女優の蒼井そら
微博(中国版Twitter)のフォロワー数がすでに小国の人口並にまで達している。
そんな彼女の一挙手一投足が「日本人女性のイメージ」として
中国人男性に大きな影響を与えることは間違いないんだろうと思う。
世界でも随一のアダルト文化を擁する日本においては
女性に対する性の幻想も抗えないものだったりするわけだ。

蒼井そら微博。赤枠がフォロワー数(2012.1.27)



そんなわけで、
日本人の生き方が今後ますます多様化する中で、
女性の働き方や結婚観などもいろんな可能性が期待できるんだと思う。
実らない婚活で疲弊した日本人男女だって、
世界に目を向ければ気づかなかった需要の大きさを
感じることになるのかもしれない。


最後に、一時期中国のネットで流行っていたという
『日本人女性と中国人女性の14の違い』
(以下引用:http://nylongirls.jp/archives/2979677.html


その1.
日本の女性は、悪とは勇敢に闘え、と子供に教える。
もし負けたとしても、闘ったことが大きな栄誉である。
中国の女性は、悪に出遭ったら隠れろ・逃げろ・避けろと子供に教える。
悪は神が何とかしてくれる。


その2.
日本の女性は、日本が世界一すばらしい国だと信じている。
中国の女性は、外国では月はもっとまるく見えるだろうと信じている。
 [=隣りの芝生は青い、というヤツですね]


その3.
日本の女性は、外国人と結婚することを恥じる。
中国の女性は、外国人と結婚できることを自慢する。


その4.
日本の女性は、昼間は淑女、ベッドでは娼婦。
中国の女性は、ベッドでは淑女、ベッドを出たらあけっぴろげ。


その5.
日本の女性は、貞節を守る。夫に恭しく尽くし、子どもをしっかり育てる。
中国は、一夜限りの関係と不倫が世界で一番多い国である。


その6.
日本の女性は、親孝行である。姑のことも、実の母のように面倒を見る。
中国の女性は、姑が早く死んでしまうことを切望している。


その7.
日本の女性は、夫を励まし労う。
夫が夜遅くに疲れて帰宅すれば、妻は「今日もきつかったね」と迎える。
中国の女性は、夫に愚痴と小言を並べたてる。
夫が夜遅くに疲れて帰宅すれば、妻は「どこ行ってたのよ!」と怒鳴り散らす。


その8.
日本の女の子は、自分と年相応の男性と結婚し、彼と一緒に人生を紡いでいく。
中国の女の子は、金持ちの老人に目をつける。
自分が彼の何番目の愛人だろうと何番目の妻だろうと、構わない。


その9.
日本の母親は娘に、夫の面倒をよく見て、
義理の両親にもかいがいしく孝行するように教える。
中国の母親は娘に、夫の資産をちゃんと管理するように教える。


その10.
日本の女性は、金のない男には耐えられるが、臆病で弱い男には耐えられない。
中国の女性は、臆病で弱い男には耐えられるが、金のない男には耐えられない。


その11.
日本の女性は、男らしい男性を魅力的だと思う。
中国の女性は、男らしい男性を亭主関白だと思う。


その12.
日本の女性は、男の浮気に寛大だ。
中国の女性は、自分の浮気に寛大だ。


その13.
日本の女性は日本の男性について、
公共の場やメディアにおいては決して悪く言わない。
中国の女性は中国の男性について、
あらゆるメディアにおいて罵り嘲る。


その14.
新婚初夜、日本の女性がはじめに言うことは、
「うまくできなかったらごめんね」
新婚初夜、中国の女性がはじめに言うことは、
「今日のご祝儀でいくら儲かった?早く計算して!」


・・・


なんでしょうね。
本当にそうだったらいいなと思います。

31億人の正月大移動


日本の年末年始が過ぎ去り、まもなく中国の正月を迎える。


今年は例年よりも少し早く、1/23が正月初一なので、
1/22から28までが正月休みということになる。
「え、もう来週末じゃないか」と書いてて今更気づくのだ。


中国の旧正月春節)における帰省ラッシュのすさまじさは知られたところで、
そうした正月前後の民族大移動を「春運」などと言われる。
基本的には旧正月前15日から旧正月後25日までの40日間を指し、
今年でいえば昨日8日が春運スタートの日になる。
今年の春運は延べ31億人(!)が長距離移動をするということで、
すでに上海駅や上海虹橋駅では人ごみがえらいことになっているという。
慣れない日本人がいきなり春運ピークの時に乗車率300%の列車にのって、
財布と携帯を紛失し路頭に迷ったなどの微笑ましいエピソードは数知れないのだ。




そんな春運において、毎年話題に上るのが「チケット争奪戦」である。
なにせ延べ人数だと地球の半数近くの人間が大移動するわけだから、
それだけの座席がしっかり用意されているわけがない。
寒い冬空の下でチケット売り場にいくつもの行列が出来上がり、
「チケット購入代行業者」やダフ屋の横行が季節の風物詩となっていた。



がしかし、
今年はついに乗車チケットを購入の際に「身分証明書の提示」が義務付けられた。
もうピンポイントのダフ屋撃退政策である。
個人的には、急な予定でどうしてもチケットを「確実に」手に入れたいケースなどには
ダフ屋の生存価値はあるんだがなぁという気持ちはないわけではないが、
目に余る横行ぶりに当局も看過できないところまできちゃったんだろうと思う。
あとは当日のクソ混雑した駅構内で毎回身分証チェックができるのか?という点で
運用上の懸念は残るものの、ダフ屋産業においては冬の時代が到来したわけだ。



さらに、今年からチケット購入がネットでできるようになった。
ああよかったね!これでトラブルが解消されるね!
などと思ってはもちろんいけない。
不備があろうが何だろうがとりあえず動かせてから修正していくのが中国だ。
案の定、早速システムがトラブルを起こして問い合わせ回線がパンクしたらしい。
「ネットで金を払ったのに乗車券が購入できねぇぞ!」
「同じ画面が何度もでるぞ!」
「どうやって購入するかわからねぇぞ!」
「ネットの接続方法がわからねぇぞ!」
出稼ぎ農民の大部分はネットに詳しくないので問い合わせも色々のようです。


そんな春節休みがもうすぐやってくる。
会社の中国人女性スタッフに聞いてみた。


「田舎に帰って何するの?」
「家族とご飯たべて、友達と会ってお喋りして、ゴロゴロしてます。」
「年に1回の帰省だから楽しみでしょ」
「そうでもないです。昔は楽しみでしたが。」
「なんで?」
「甥っ子にお年玉あげなくちゃいけないし、
ろくに働かない弟にまでお小遣いをあげなければなりません。
手ぶらじゃ帰れないからそれなりのお土産を買わなくちゃいけないし」
「ふーん」
「実家に帰るたびにお金が減ります」
「ふーん」
「お母さんは結婚はまだかまだかと言ってきますし」
「大変だね」
「お父さんは浮気してます」
「えっ」
「だからあまり会いたくないんです」
「へー・・」


春節が年に1回のお楽しみだったのも今は昔か。
ちょっとくらい休み延長してもいいからね、と声をかけておいた。

上海でマラソンしました


12月4日(日) 2011年上海マラソンに参加した。
嫁と共に初挑戦です。ハーフですがね。


前日の土曜日、備品を受け取りに上海体育館へ。
会場ではTORAYやミズノ、JALJCBなどのスポンサーブースや
関連企業のグッズ販売、他のマラソン大会案内などがあった。
こういう場所でピンポイントの展示会は非常に有効だ。
どこのブースも人であふれ、靴やウェアも売れまくっていた。
ちなみに嫁はここでランニングシューズを80元で購入。安っ。



ブースいろいろ



ハードルの劉翔像。マラソン関係ねぇ


大会本部から支給された備品セット。
・大会用Tシャツ(M、L、XLがあったがMは最終日なくなっていた)
・タイムチップ(センサーで個別タイムを計ってくれる)
・ゼッケン
・大会用ナイロンバッグ  など



そして翌4日、2011上海マラソン当日を迎える。


スタート地点は上海中心地の外灘。
7時頃に現地に到着し、荷物を預けてウォーミングアップ。
音楽も大音量でギャラリーも多く、なかなかのお祭り感だった。



早朝の外灘



スタート地点はもちろん人だかり


クソ寒い中、7時半に一斉スタート。
混み合いの中で遅れること10数分、ようやく我らも走りだす。


以下走ってる時の感想。


・老若男女が参加しており、結構ヨボヨボおじいちゃんまでいて驚いた。
・ほぼ私服姿のおっさんが異常に早かったりして見かけで判断してはいけない。
・ベテランランナーは走りながらよく写真を撮る。
・給水所のドリンクが中国味で美味しくない。
・男性ランナーは勝手にコース外に出て立ちションをする。
・ゴール間際とかに参加者以外の人がコース内に入ってゴールしようとする。
・沿道のおばちゃん達からの「加油!(頑張れ)」の声援が意外に沁みる。


途中右足が激痛に襲われるも、なんとか無事ゴール。
目標だった2時間以内は惜しくもクリアできなかったが、
まぁ生まれて初めての長距離ランとしてはこんなもんかなと納得している。
ろくに練習してなかった嫁も3時間以内でなんとか完走することができた。


最後はマラソン大会ではお馴染みらしいスポーツ写真の「オールスポーツ」が
上海でも写真撮影をしてくれているのでポーズ撮って記念撮影。
走ってる最中も至るとこで撮影していたので、そこらへんにも気を配る必要がある。
専用ホームページから後日閲覧&写真購入ができるらしい。
http://cn.sh42195.com/event/00095617.html


運動不足の自分にとっては少し無謀にも思えた今回のチャレンジだったが、
練習含め、走ることの楽しさを生まれて初めて感じることができた体験だった。
当日のお祭り騒ぎも参加者のテンションをずいぶん高めてくれた。
21kmランはもちろん死ぬほど疲れたが、そのぶん充実感もひとしおだ。


そんなわけで、来年もぜひ走りたい

日本食品の輸入解禁報道をうけて


日本食品の中国輸出が解禁との報道が流れた。
【参照】http://bit.ly/thpHnf


もちろん朗報である。


過去の経緯はざっくり以下のとおり。
http://d.hatena.ne.jp/kane201/20110417/p1
3.11震災をうけ、中国当局は震災後に製造された食品については
一律で輸入規制を行い、その後、水産品だけは条件付きで
輸入再開したもののそれ以外については輸入が難しい状況だった。


これまで何度も日本の新聞では「解禁間近!?」的な報道が流れて
その度に中国側はドタバタと確認に追われたが、結局状況は変わらなかった。
しかし今回は中国側も具体的な対応に踏み切ることで間違いない様子だ。
「ようやくかー。待ったよ本当に」
「年内に目処がついてよかった」
「もう食品やめようかと思ったわ」
なんて業者の声が挙がっている。
裏ルートや強力なコネで商品を持ち込むローカル業者の暗躍ぶりを尻目に
息絶え絶えの日系業者は少なくなかった。


現時点では、まだ中国側から明確な通達はされてないため
中国側通関など現場の人たちは具体的な対応がとれない状況が続いている。
懸案事項の産地証明書や放射性物質検査証明書についても今後の確認が必要だ。
日本側ではすでに輸出準備を行う企業も多いと聞くが、
港の混み具合も気になる所で通関状況は注意深く見ていかないといけない。


心配事は他にもある。
中華料理店のオーナーなどに話を聞くと
一部の消費者はまだ日本食品全般に対する不安感をもっているようで
日本からの輸入品に対する拒否反応は少なくないらしい。
「だって俺もまだ食べたくないしぃ」とか言う料理長までいる始末。
これまでの強みであった「日本産」ブランドが逆に弱みとなるとは皮肉だ。
コンビニやスーパーでもこれまで日本産商品が陳列された棚が
今では台湾や韓国の商品で溢れており、棚の奪回はなかなか容易ではない。


なんにせよ、商品が入らなくて仕事にならない状況が続いていただけに、
ようやく動き出せるとあって各社のモチベーションは一様に高い。
まだ福島周辺の10都県は輸入規制が解かれていないが、
ぜひこの勢いそのままに完全解禁してほしいと願っている。


もうしばらくは中国とケンカしないでね

副業天国というか


最近、アルバイトでアメリカ人に日本語を教えている。
上海にいながら。


別に外国語教師の仕事に就いたわけじゃない。
知り合いの外国語スクールの社長に頼まれ、
「日本語を勉強したいアメリカ人がいるんだけど教えてくんない?」
みたいな軽いノリで頼まれた。
休日や夜などお互いの空き時間で調整すればいいみたいだし、
マンツーマンで自由に会話をするだけなので準備も特に必要ない。
こっちとしても英語と中国語の実践練習にもなるかと思いOKした。
悔しいかな中国語レベルははるかに劣っているのだがね。
1回2時間×週2回。
一応気持ちばかりのアルバイト料ももらってるわけなので
これも副業と言えるだろう。


副業、というと中国でも真っ先に株や不動産投資などが挙げられるが、
それ以外にも「本業の合間に別の仕事をする」副業が中国でも非常に多い。
というかみんなやってる。
そもそも本業と副業の境界線が曖昧な人が多いのだ。
元々会社に依存しないのが中国人なので、気に入らなければすぐ転職するし
自分にとってメリットがあるかどうかをまず第一に考える。
そのため、自分でうまく時間を使って金を稼ぐ手段があれば
本業以外でも好きに仕事をする、という人が多かったりする。
やってますけど何か?くらいの顔をしてくる。
商談でも平気で別の会社の名刺を渡して営業してくる人だっているほどだ。



中国では給与や福利などの正常な収入を「白色収入」、
賄賂や横領、窃盗・強盗など非合法手段で得た収入を「黒色収入」と呼ぶ。
んで、その間に位置する納税・申告されない個人的な収入を
「灰色収入」と呼んで中国国内でもこの額の多さがよく話題になっている。
灰色収入は特権階級等の間で交わされる袖の下的な意味合いが一般的だが、
中国ではまだまだこうした「課税されない収入」が幅を利かせてるのが実情だ。
役人が企業から、仕入れ会社が納品会社から、学校の先生が生徒の親から。
こうした商習慣はもちろん健全ではないものの、
残念ながら社会生活の中で信頼性が醸成されずらい現状では
こうした裏工作が社会の潤滑油の役割を果たしているのも事実だったりする。


そんなわけで、誰もが小遣い稼ぎに欲が出ちゃう。
もちろん中国にいる外国人だって例外じゃないわけだが。


本業の中に副業、というか小遣い稼ぎを滑りこませてくる人も多い。
あるレポートを中国語へ翻訳する作業をお願いした際、翻訳会社の女性が
「これ、300元私にくれたら優先的にやりますよ」とか普通に言ってくる。
で、払う。
イベント前日に急遽必要になった食材を慌てて仕入れようと思ったら
「これは別の会社に納品するものだから無理。でも倍の料金出せば先に出すよ」
とか言われる。値上げ分が担当者の懐に入るのだ。
で、払う。
金で解決できるんだから話が早いともいえるが
そうしたスタンドプレーがはびこるわけだから経営者もさぞ頭が痛かろう。
逆に急な依頼をうけて苦慮していると
「これは会社ではなく個別にお願いするものなのでお支払いも個別に」
なんて言われたりするので正直誘惑も多いわけだ。
で、もらう。たまに。
そういえばこの前中国人からビジネスプランを持ちかけられたが
イデアのほとんどがゴリゴリ風俗ものか違法持ち込みもので閉口した。
まぁそれくらい、誰もが商売の種を探しているということだ。


物価上昇に給料の値上げが追いつかない中国では、
毎月振り込まれる給料では安穏としてられない危機感が街全体を覆っている。
社会人1年生の女の子が金儲けを模索し相談にやってくるのが今の上海だ。
こうした環境こそがビジネスセンスを育む、
のかどうかは知らない



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