社長、中国くるなら商標とっときましょう


前にも書いたけど、ここのところ商標について調べてる。


僕らの仕事は、日本の食品を中国に売り込むお手伝いなんかを
したりするんだけど、そうすると商標についてアドバイスをする機会が多い。
ご他聞に漏れず、中国は類似品ビジネスが横行、というか活況だ。
それ専門にやってる個人、企業なんかは、各地の商談会に足を運んで
パンフレット類をごっそり持ち帰り、中国進出前の商品の商標をかたっぱしから
先にとっちゃうなんてよくある話だ。
そういう面でも、販売前、いやサンプル品でさえ中国に持ち込む前には
商標をしっかり押さえとかないと、後々裁判沙汰になって大金が飛ぶ羽目になる。


特許庁がまとめた『2008年度 模倣被害調査報告書』によると、
国内外での模倣品被害率は、アンケート回答企業(3650社)中の
およそ24%(876件)と3年連続増加、さらにその中で国・地域別の
被害企業の比率をみると、1位は日本国内を抑えて中国(約70%!)と
ダントツの調査結果がでている。
最近では模倣品も海を渡りグローバル化が進んでいるようで、
特に製造業なんかでは中国で生産された商品がアジア、中近東、
中南米など世界中に輸出されている。
ある精密機械メーカーが行った調査では、これまで取り締まった
54カ国の模倣品のうち実に9割が中国で生産されたものだったらしい。
中国当局も税関での水際対策をとってるらしいけど、
その分正規な輸出物についても煩雑な手続き処理を行う必要があり、
中には真正品なのに疑義品にされて両者の業務ロスになるケースが
多発しているとか。
隣の席に座るわが社の貿易担当者も、毎月のように制度改正が行われていて、
振り回されっぱなしだ!!と発狂していた。


食品だけでみても、例えば中国ではコシヒカリあきたこまちなどの
有名な日本米ブランド名が使えない。商標がすでにとられているからだ。
現状、中国の百貨店などでは新潟県産、宮城県産などの表記で販売されている。
そもそもこういった商標を企業でなく個人がとれてしまうのも問題だ。
この前行った商談会でも、『青汁』が中国で商標をとられていたらしく、
日本の有名な某青汁メーカーの担当者も中国進出に苦慮していた。


よくできた類似品は品質もそこそこで値段も安いため、
僕ら消費者は結構用途にあわせて活用してる。
道端で売られてる激安DVDなんていい例。
でもそれをしちゃうと、いつまで経っても模倣品ビジネスが
儲かるビジネスのままなんだよなぁ、と考えてしまう。
こんなクレ○ンしんちゃんは誰がみたって。。。うーんなわけだ。

自社の商品に人一倍愛情を注ぐ中小企業の社長さん達にも
後で痛い目にあわないために、そこんとこよーく言ってあげたい。