検閲きびしい中国ネット事情のアメとムチ


中国が半ネット鎖国なのは周知の事実だが、
その締め付けが日毎に厳しくなってきているというニュース。


【ネット検閲回避技術の“封鎖”始まる、大学や企業のネット利用に支障―中国】
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=51639&type=1


中国ではTwitterやらFacebookやらYouTubeやらが検閲対象となっており
通常見ることができないのは有名な話だ。
で、その対応策としていまやすっかり有名になったのが
VPNという仮想ネットワークをつかった方法なんだけども、
それも徐々に制限されてきているそうな。
Twitter上でも「VPNが今つながらない」とか「接続が不安定」などの
つぶやきを最近よく目にする。
どうやら当局も「最後の一線」に超えつつあるぞ、との噂が飛び交い
中国に住む外国人たちは戦々恐々な状況が続いているわけだ。
なんてったって、いまVPNをつないでいないと
Googleの検索すらまともに出来ないことも少なくない。
最近は「中国」と検索しただけでまるっとブロックされてしまうほど
金盾(検閲システム)の制度はキレッキレなのである。

下手な単語を使うともれなくこうなる


◇whatblocked

http://whatblocked.com/(Last Updated: 2011-03-04)
赤色:ブロック、黄色:部分的ブロック、緑色:まだセーフ
これが徐々に赤色に変わっていくという・・


そんな中、中国のインターネット検閲システムの開発者である方浜興氏が
武漢大学での学術交流会で学生に靴を投げられ命中したという
心温まるニュースが入ってきた。
【「ネット検閲の父」が靴を投げられる、ネットユーザーは喝采―中国】
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=51479
ブッシュよろしく靴投げゲームのアプリでもできるんじゃないかと思ったけど
ここは中国だったのでそんなジョークは通用しそうもない。
ネット上では靴を投げた寒君依くんに激賞メッセージが相次ぎ寄せられたらしく
庶民の鬱屈したエネルギーのたぎりが感じられる。

↑方浜興氏。扱いもよろしいようで



じゃぁ中国に住む日本人はさぞ情報が制限されているだろうと思いきや、
実は当局をおびやかさないメディアについては非常に寛大だったりする。
寛大すぎて著作権の概念も吹っ飛んでいる。


中国の2代動画サイト 优酷(youku)と土豆网(tudou)では
日本のテレビ番組や映画を無断・無料で相当数みることができてしまう。
人気番組であれば放送翌日にはにほぼすべてを視聴することができる。
この点だけみれば「中国のほうがお得じゃんか」とすら感じられるほどだ。
さすがに最近は著作権保護の観点から取り締まりが強化されつつあるが、
それでもいまだYoutube等とは比べ物にならないほど見放題だったりする。


管理が難しいソーシャルメディア系は情報の根っこをギュッとにぎり、
管理しやすい娯楽メディアは著作権にひっかかろうが穏便に目をつむる。
この微妙なアメとムチのような、二枚舌のような、ご都合主義なところが
中国の食えないところであり理解が難しい奥深さでもある。


今年に入りすでにアメブロはブロックの対象になっており
VPN経由でないとブログの閲覧すらできなくなっている。
はてなダイアリーもいつまで無事でいられることやら。