ぼくらの尖閣諸島とばっちりトラブル

秋風が吹いてきた上海。



街はいたって平和です。連休でどこも家族連れです。
しかしニュースだけがどうにも慌ただしい。
上海は特に大きなデモが起きているわけではないが、
それでも中国を刺激しないよう関係各所は配慮しなくてはいけない。


【四国上海交流フェア 中止】
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20100922-OYT8T01094.htm
【日本青年上海万博訪問団が中止】
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20100922-OYT8T00080.htm
【中国漁船・尖閣領海内接触SMAP上海公演「延期」】
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20100922ddm002040018000c.html
【日中交流事業 石川 中止、延期相次ぐ】
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2010092202000128.html
・・・ほか多数。


イベント関係者には知っている人達も多いが、彼らも大いに落胆しているようだ。
この日のために何ヶ月も前から準備をして、
さらに彼らの手でコツコツ積み重ねてきた日中間の信頼関係を
たった数日間の政治的問題で打ち砕かれた彼らの胸中や察するに余りある。
親日で日本文化が大好きでSMAPファンの中国人女の子は、
「なんで日本はこんな時期に問題起こすのよ!」と
残念ながら今回の1件で反日デビューを飾ってしまった。
日中双方の心に残したしこりは、また取り除くのに相当の時間を要するわけだ。

中国の動画共有サイト優酷網でも特別ページが登場


でもって、現場レベルでも被害者の声が続々入ってきている。
貿易では、日本からの輸入品が通関で軒並みストップをかけられているという。
通常止められる際はその理由を明記するのだが、その説明も一切ナシ。
大半が現場担当者の一存で行われているらしいのだ。
なんとか日本商品を出してくれと交渉する中国人スタッフが
「お前は非国民か!」とののしられたらしい。
韓国、アメリカから同時にもってきた商品がすんなり通ったのに
日本のだけが止められたという業者もいた。もう明らかな嫌がらせだ。
各社あわてて現場の人脈をフル活用し、担当者に拝み倒している最中だ。


ここ数年の中国ブームを受けて、タオバオだ!不動産だ!内陸だ!と
息巻いて中国に乗り込んできた日本企業は
今回の件で冷や水を浴びせられたようなもんだろうなと思う。
日本でも中国人客を取り込め!みたいなことがよく言われるが、
今回1万人社員旅行がキャンセルになったように、外部要因でいつでも
ひっくり返る危険性があることを、日本人はよく理解しなくちゃいけない。
こうしたチャイナリスクを早いうちに身を持って経験できたことは
逆に良かったよね、と皆さん前向きに捉えるべし。はい気をつけます。


とはいっても、事態を長引かせたくないのは中国も一緒。
万博だってラスト1ヶ月となり、目標の7000万人もどうやらギリギリのペースだ。
日本産業館のイベントもまだ残っているわけだし、
変にミソつけてイベントを失敗に終わらせたくはないだろう。
ひとまず、29日に中国人船長の拘置期限を迎えるので、
それ以降の両国の動き次第でこの問題がさらに過激化するかどうかが決まりそう。
それまでになんとか事態が収束してくれることを願うが、
しかしいつまでもこうやって政治の喧嘩に振り回されるのもまっぴらな気もする。
国が近いと問題も多いな。

本件で日本にもかなり顔が知れた姜瑜報道官


喧嘩っぱやい中国人が言います。
無人島で日本と中国の軍隊が喧嘩すればいいんだよ!そうしたら後腐れなし!」
つまり子供の喧嘩と同じ様相ってことですかね。