どーなの中国の死刑制度

日本では厚生労働省文書偽造事件の無罪ニュースが話題だ。


検察の杜撰な捜査ぶりを伝えるニュースは痛快な一方で怖さも感じる。
「冤罪の可能性がある以上、死刑なんて取り返しのつかない制度は廃止すべき」
と大学のとき死刑廃止論者の先生が言っていたことを思い出した。
これが中国だったらと思うと怖いんだ、コレが。



中国は死刑大国として名高い。


なんてったってそもそも死刑執行件数を公表していない。
アムネスティ・インターナショナルの調査によると
2008年だけで少なくとも1718人の死刑が執行されたという。
実に世界の死刑執行数の7割を占めるほど。
(もちろん北朝鮮みたいな国は調査不能なわけだけども)
2001年なんてキャンペーン中(!)につき4月から7月にかけて
少なくとも2960人が死刑判決を受けて1800人近くが
執行されたというフィーバー期間もあったとか。
このうち冤罪の可能性が何人・・なんて考えるのも恐ろしかよ。
北京オリンピックを境に国際世論に配慮して
公開処刑は控えてるらしいけど、まだ地方では一部見せしめがあるとも聞く。
Googleの画像検索とかするだけでゲンナリ写真がわんさか出てくる。


ちなみに戦後日本では、他者の生命を奪った場合以外で死刑判決は出ていない。
一方中国はというとそんなことは全然なく、麻薬販売等の薬物犯罪、
賄賂授受等の公務員犯罪、金融詐欺や通貨偽造等の経済犯罪、
売春や性犯罪などでも死刑がバンバン執行されている。
日本人でも今年4月に麻薬密輸で死刑執行されたニュースが話題になった。



死刑制度の世界分布図
アムネスティ・インターナショナル日本より



そんな血の気の多い中国だけれでも、
最近では「さすがにやりすぎだろ」って論議が進んでいるらしい。


中国の国会にあたる全国人民代表大会がいま進めている刑法改正では、
暴力を伴わない犯罪など13の罪名について
死刑の適用対象外にするなど死刑縮小の流れを明確化しているらしい。
なるほど、民意を反映してね、って思ったら民の声はどちらかというと逆。
【死刑縮小を探る 適用罪名の削減を検討 ネット世論は反発、犯罪増加懸念】
http://mainichi.jp/select/world/news/20100823ddm012030044000c.html
「もっと死刑を多用し、汚職官僚を懲らしめるべきだ」
「中国で死刑が廃止されれば、執行者数よりも多くの人が犯罪で死ぬことになる」
新浪網のネット調査によれば、中国の死刑判決について
「もっと多くすべきだ」との答えが78.5%にも上ったという。
「死刑の適用罪名の削減や死刑廃止は社会の進歩と思うか」との質問には、
「思わない」(49.2%)が「思う」(17.9%)を大きく上回ったほど。
中国では「執行猶予付き死刑」の制度があり、多くは2年くらい身柄を拘束して
人によっては懲役20年程度に減刑されることもあるらしいが、
今後は中庸案として終身刑みたいのもできるのかもしれない。


逮捕者にはあんまり寛容でなさげな中国人。
自分の身は自分で守れってことですか。
各自立ち回りには気をつけましょう