風俗から始まるアジア婚活

アジア随一の歓楽街・上海も万博にあわせて浄化が進んでいる。


【News:上海市、売春などに関係するKTV娯楽施設の一斉取り締まり】
http://www2.explore.ne.jp/news/articles/14823.html?r=sh
上海市では、上海万博の関係もあり、売春行為への摘発を強化している。
最近では南京東路や康定路の有名なKTV(カラオケテレビ)への取り締まりを行い、
営業停止処分を受けている。公安当局では、理髪店(俗に言う「髪廊」)での
個室でのサービスなどは禁止されており、規定に基づき処罰するとしている』


中国は社会主義国である建前上、風俗ってのは一切禁止らしい。
上記みたいな摘発は数が多すぎていちいちニュースにはならないものの、
一部報道では、これまでに何らかの違法行為で摘発されたKTVは約4000カ所、
営業停止されたのが300カ所、改善の通知を受けたところも380カ所あるという。
たしかに市内であればピンク床屋(ピンクの看板が目印の風俗床屋)も
軒並み無くなっている。市街を離れればまだあるようだけど、
市内中央部はかなり監視の目が行き渡ってきたのかなと感じる。
中には麻薬などの取引や犯罪組織の温床になっている店もあるらしい。
以前中国人の飲食店オーナーが雑談混じりに
「あそこの店は従業員全員が薬漬けだからな、お前一人で行くなよ」
なんてなことを軽く言っていたが全く笑えなかった。
娯楽産業こそが上海の経済を支えてるんだ!と現状を憂いている人もいるが、
街のクリーンなイメージを作るのにお国も必死らしい。

KTVではお決まりの光景。女の子を指名するシーン



今後上海の夜はどうなっていくんだろう


風俗産業は元来不況時に労働力が増える。
中国は大学進学率が約25%と約4人に1人が大学に入る時代だ。
一方で供給がすでに追いつかず、毎年100万人の就職難民が生まれている。
そうした仕事にあふれた低所得層には上海は住みづらい街なわけだけど、
日本の若者が東京に出たがるがごとく、上海にも若い労働力が押し寄せる。
近年では上海人女性もキャリア志向が目立ち、晩婚化の傾向にあるが、
その他大勢の女性は金のある男性との早期結婚を考えてる。
就職活動で挫折した地方の子であればなおさらかもしれない。
そうした「そこそこの学歴」の女性であっても
今後は夜の仕事に流れていくとみられている。
また需要側では、上海に住む駐在員ってだいたい3年〜5年で本国に帰る。
んで入れ替わりに、また新しい駐在員が上海にやってくる。
彼らはせっかく中国にいるんだからとばかりに女遊びにいれこむわけで、
駐在パワーを存分に発揮し、期間限定で夜の上海にお金を落としていく。
上海は人の入れ替わりが激しいことから、風俗需要は飽和せず
耐えず循環している特殊な街だったりする。


・・というように需要も供給も衰えない上海にあって、
万博を理由に街が一時的にクリーン化されているとはいえ、
たぶんまたグレーな業態で出会いの場が提供されるんだろうなと思う。

こんな夜の社交場



とはいってもね、だ。
日本人だって結構そういう出会いがもとで結婚してたりしている。
女性は昼間仕事している人も多いしそこがカムフラージュになってるから
正確なところがわからないけども。結構な割合でいる。
今後日本人男性の婚活事情はもっと深刻になる。
婚活ビジネスが盛り上がっているが、出会いの場が提供されたからって、
全体で大きな改善が見込めるとは到底思えない。
で、アジアに目を向けたりやしないかと。
ある程度収入があって、妻の言うことを聞く草食系日本人男性は、
現実的で自己主張をしっかりする中国人女性と
けっこう合うんじゃないかと思ったりする。
上海で中国人妻をもつ日本人の方々とお会いすると、
愚痴の一つもでるとはいえ、お互いのパワーバランスを上手く保って
幸せに過ごしている人が多いな、と感じる。
もとより清濁合わせ持った大陸では、細かいことは気にしてもしょうがない。
商売感度の高い中国人は、そうした日本人男性の心の機微を察知し
新しい出会いのシステムを作ったりしないのかなと思っている。


国際婚活市場としてのポテンシャルを秘めた上海の夜。
風俗産業は万博を契機に新しい装いを模索している