すかいらーくとサイゼリヤと僕の昼ごはん


上海にすかいらーくが進出するらしいですな。


すかいらーく:中国で洋食レストラン展開−年内にも上海市に1号店 】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aU16aGvqLr5M
国内で不採算店の閉鎖が一巡したことに伴い、国内外で出店を加速するとのこと。
現状は「どのレストランを開店させるかなど、中身を詰めている段階である」そうで。


うーむ、どうなんだろか。
上海で日式ファミレスとなると敵はサイゼリヤ(薩莉亜)の他にない。
サイゼリヤは2003年12月に上海第一号店をオープン後、
当初こそ高価格で苦戦が続いたものの、
その後主力商品を半額にする戦略転換が当たり、以降順調に拡大しちゃってる。
現在では上海・蘇州で35店舗を構えているらしい(店舗数はHP参照)。


んで、サイゼリヤの強みはというとその価格競争力にある。
パスタ10元、ピザ20元、ドリア10元、ハンバーグステーキ15元くらいと
ローカル店に負けない低価格を実現することで一般層の中国人客も足を運んでる。
一等地に出店しない、広告も出さない、現場はほぼ中国人スタッフのみ、
現地食材を使う、等の徹底したコスト管理で他の追随を許していない。
08年に上海に進出したジョイフルは1年余りで撤退、
和食さと(莎都)も08年に上海に出店しておりまだ営業中ではあるけど、
こちらはどちらかというと居酒屋テイストな印象で、店舗数も増えてはいない。
というわけで、すかいらーくは当然サイゼリヤからいかに客を奪うかが
中国進出の成否を占うポイントになるんかなと思う。

今日行ってきた。2人でガチ食いして80元くらい


とまぁ上海で躍進しているサイゼリヤばってん、悩ましい問題もある。
客単価を下げたことで原価率が50%前後にまで高くなってしまったのだ。
コストを最小限で抑えるために日本人スタッフは最小限に抑えなくてはならず、
そのせいか決め細やかなサービスや料理のクオリティは
「及第点スレスレ」なケースも正直少なくない。
そんなこともあり日本人の間ではサイゼリヤ不支持者もちょいちょい聞く。


んじゃぁすかいらーくが今こっちきてどうなの?っていうとやっぱり大変でしょと。
サイゼリヤが普及した03年、当時日式のファミレスは皆無に近い状況であったため、
現地日本人から圧倒的な支持を集め、現地中国人を引き連れて店にきていた。
こうした「ファン」が口コミで支持者を広げ、現在の一等地でない立地であっても
足しげく通ってくれる常連客と知名度を作っていったわけだ。
その後、ここ数年でそうしたファミレス的な店が劇的に増えたこともあり、
いまファミレス業態で店に紐づく熱烈な「ファン」を作るのは容易じゃぁないと思う。
個人的には安くて美味しいつけ麺屋でもできればファンになる。切望すらしている。


ちなみに中国系のいわゆるファミレスと呼べる業態もたくさんある。
値段は1メニュー+ドリンクで30〜40元くらいが相場だろうか?
サービスも多少は教育を受けているようで、
荷物が汚れないようにシーツをかぶせるなどの対応をしてくれる店もある。
そういう面でいえばソフトはサイゼリヤも差別化しきれてない。
あとは宅配サービス。ファミレスはまだほとんどやってない、と思う。
弊社もいつも昼飯のチョイスに困っている。会社の場所的に日本食屋が少なく、
いつもコンビニ⇒マック⇒ローカル出前⇒コンビニ⇒マkk..のローテーション。
便利な宅配ファミレスでもあればぜひ愛用したい。まじで。

ローカル弁当(10元)。濃いんだ、味が


1970年代にすかいらーくが日本のファミレス市場を築いたように、
中国は2000年代に入りサイゼリヤが日系ファミレス市場を開拓している。
そこに本家すかいらーくがどう入り込むんだろうか。
ど真ん中の直球戦略では大変なのでは?という素人予想をぜひ覆してほしい。